時間のゆとりもなく、浮世のさまざまな俗事は数がまさるばかり。惜しいことではあるが、今年も暮れていくのだ。
里村紹巴(じょうは)は、安土桃山時代の連歌師。
まるで現代のめまぐるしく過ぎゆく日常生活を詠ったものかと思いきや、はるか安土桃山時代とは、時代は変われど、人々の日常は変わらぬものがあるのだと気付かされる。
歳の暮れには、過ぎ去った一年と、また新たに迎える一年を想い、時の流れは早いものだと感じるものだ。
また、そのように雑事に追われ、日々せわしなく過ぎていくのも、これまた人のささやかな幸せな人生であるともいえる。
歳暮。
時の流れを改めて認識するその機会に、心新たに、どのように時間を過ごしていきたいか、それぞれが再確認するだろう。
それぞれにとっての、心が豊かになる、最高の時間の使い方を日々の生活に取り入れる。
その時間の間だけは、時間を越えた空間が存在する。